CLIENT INTERVIEW

パーソルキャリア×Third Baseによる
実務に直接伴走する1on1型研修
―思考を構造化する習慣を身につけ、社内バイアスを取り払った「あるべき姿」を追求する

Client:パーソルキャリア

自身の実務に直接伴走するからこそ、タイムパフォーマンスが高い― パーソルキャリアが求める「実践的で溶けない研修」の新たな形

パーソルキャリアとの取り組みは、ディレクター層向けの研修からスタートしました。 一般的な事例に基づく座学形式の研修ではなく、受講者の実際の業務に伴走することで、自然と「自分ゴト化」が促され、資料のまとめ方や思考の整理手法といった汎用的なスキルに変化が生まれていきました。 また、上司ではない外部人材との1on1だからこそ、自然と染みついた「パーソルキャリア・バイアス」に気づけたり、自由に発想を広げることができるといった効果も見られました。 パーソルキャリアが目指す「溶けない研修」。 Third Baseと共に取り組んだ約1年間の成果について、3名のご担当者様にお話を伺いました。

スピーカー紹介

植田 香織 様

パーソルキャリア株式会社
クライアントプロダクト本部
法人プラットフォーム企画部
ゼネラルマネージャー

氏名:植田 香織 様

黒河 奈津子 様

パーソルキャリア株式会社
クライアントプロダクト本部
法人プラットフォーム企画部
マネージャー

氏名:黒河 奈津子 様

伊藤 丈博 様

パーソルキャリア株式会社
新規サービス開発本部
サービスシード部オンラインフェアグループ
マネージャー

氏名:伊藤 丈博 様

今村 将人

(聞き手)
株式会社Third Base
代表取締役

氏名:今村 将人

勝林 優斗

(聞き手)
株式会社Third Base
ディレクター

氏名:勝林 優斗

※ 部署名・役職は当時

プロジェクト発足の背景

これまでの経験から、信頼のおける講師による「溶けない研修」を探していた

Q(今村):皆さまとのお付き合いも、形を進化しながら気づけば一年近くが経ちました。まずは、最初にご発注いただいた「ディレクター層向け」の経緯から、お聞かせいただけますでしょうか。

A(植田様):当社としては、総合職向けの支援施策は充実しているのですが、ディレクター層向けの研修が不足しているという課題があり、外部のPdM研修やPMM研修を探していました。この種の研修は、講師によって品質に差が出やすいため、ネット検索だけでなく、口コミも頼りにしていました。そんな中、他部署の方から「Third Baseの今村さんが良いよ」とご紹介いただきました。各マネージャーで複数社をリストアップしていたのですが、今村さんに実際にお話を伺い、他部署で作成されたアウトプットも拝見した結果、Third Baseさんにお願いすることを決めました。

Q(今村):研修の形態としては、どのようなスタイルのものを探されていたのでしょうか。

A(植田様):実践的な研修を求めていました。私自身の経験として、受けた研修が日々の業務にうまく活かされず、時間が経つと溶けてしまうような感覚があったため、いわば“溶けない研修”を探していました。

パーソルキャリア株式会社 クライアントプロダクト本部 法人プラットフォーム企画部 ゼネラルマネージャー 植田 香織 様

Q(今村):初回は、ネクストリーダー候補の3名に対し、2ヶ月ずつのプログラムを実施させていただきました。実施後のご感想をお聞かせいただけますか。

A(植田様):一般的な研修は、何らかの事例をベースに学ぶので、自身の業務に落とし込むのが難しいという課題があります。しかし、この研修では自身の業務に対して伴走していただけるので、自然と「自分ゴト化」できたと感じています。
管理者の立場としても、研修と言いつつも実務面での成果が確実に出ていたので、タイムパフォーマンス・コストパフォーマンスの両面で非常に価値があると感じました。

Q(今村):その後、マネージャーである伊藤さんと黒河さんにも弊社の1on1をご活用いただきました。こちらは人材育成というより、成果創出に向けた壁打ち相手としての位置づけでした。ご依頼いただいた背景や狙いを教えてください。

A(植田様):不確実性の高い新規領域において、上流の構想を整理するフェーズにありました。そこで、自立したメンバーの思考を一緒に整理しながら、壁打ち相手として最終的な成果物のアウトプットにつなげてほしい、という期待がありました。
前段で実施いただいた1on1研修の内容から、依頼したら同じく期待する成果物が出てきそうだと判断しました。

上司ではない外部人材との1on1だから、「社内バイアス」を取り払い、思考を「発散」できる

Q(今村):伊藤さんは実際に弊社の1on1を活用していただき、いかがでしたか。

A(伊藤様):とにかく、自分の頭の中だけで考えながら形にしていくよりも、思考の整理が格段に早くなり、それがそのまま成果創出にも繋がっていると感じました。その場でフィードバックを受けながら進めていけるプロセスは、先ほど植田も申し上げた通り、非常にタイムパフォーマンスが高く、その効果を強く実感しています。
また、社内での合意形成を前提として企画や戦略を練っていく中で、正解が見えず自信が持てないまま進めざるを得ない場面も時折あるのが実情でした。そうした状況下で、第三者の視点からフィードバックをもらえることで、迷いが減り、自信を持って前に進めるようになりました。

Q(今村):我々のような外部の人間は、皆さんの事業進捗やカルチャーを完全にキャッチアップするのは難しいという現実もあります。それでも週に2回の1on1はお役に立てていたでしょうか。

A(伊藤様):週に2回、外部の方に入っていただくことで、「それってそもそも何を指しているんですか?」と素朴かつ本質的な問いを投げかけていただける。そうしたやり取りによって、自分でも気づかないうちに持っていた、いわば“パーソルキャリア・バイアス”のようなものに改めて気づかされました。そのバイアスを剥がす効果に、非常に大きな意味を感じました。

パーソルキャリア株式会社 新規サービス開発本部サービスシード部 オンラインフェアグループ マネージャー 伊藤 丈博 様

Q(今村):伊藤さんとの1on1は「バイアス」というワードを非常によく使いましたよね。ちょっとした雑談さえも、全てに双方の気づき・学びがあったような感覚で、毎回楽しい時間でした。
黒河さんは実際に弊社の1on1を活用していただき、いかがでしたか。

A(黒河様):私自身、プロジェクトを一人で進めている状況であったので、どうしても自分の見えている世界だけで物事を考えてしまいがちでした。そうした状況下で、視野を広げていただけたのは大きな助けになりました。

また、週に2回のセッションがあることで、定期的にアウトプットを出すペースが自然と生まれました。

私自身、まとめ方にはまだ未熟な点が多いと感じていますが、「合意形成しやすい形」へと落とし込んでいくアプローチには、大きな学びがありました。

Q(今村):「フィードバックは上司の役割である」という考え方も存在します。私たちは、上司と外部人材では、構造的に担える役割・果たせる機能が異なると考えています。それぞれに出来ること・出来ないことがあるからこそ、両者が併存し、適切に機能する状態が理想だと捉えています。

皆さんの場合は、他社と比較しても組織の上下の風通しが非常に良く、1on1のサポート体制も充実されています。それでもなお、外部人材の壁打ちに価値を感じていただいたというのは、非常に印象深いです。

A(植田様):壁打ちの仕方、フィードバックの仕方は、私自身も横で見てすごく勉強になりました。だらだらずっと続けるというよりは、期間限定だからこそ価値があると思っています。

A(伊藤様):上司が同じ伴走をできるかというと、時間的な制約もありますし、役割の特性上、難しい部分があると感じます。というのも、上司はある程度「こうすべきだ」と一定の正解を持っている立場であり、どうしてもその正解に沿って導くことを求めてしまう側面があります。それに従って進めることも大切ではありますが、一方で、自ら試行錯誤しながら「誰に対しても納得を勝ち取れる形」に整理していくスキルも重要です。そのスキルは社内だけでは中々育成が難しいと感じます。

A(黒河様):上司やチームのメンバーとの会話では、あらかじめ正解が共有されていたり、他の人のアウトプットが提示されていることが多く、1on1の場であっても、どうしても「収束」に向かう会話になりがちです。その際、自分の中にある納得しきれない部分や、モヤモヤとした感覚を整理しきれずに抱えてしまうことも多くあります。
外部の方との対話だからこそ、1on1の中で「発散」ができ、自身の思考がもう一段深まり、前に進むための手応えを得ることができる。
そこに大きな魅力があると感じました。

パーソルキャリア株式会社 クライアントプロダクト本部 法人プラットフォーム企画部 マネージャー 黒河 奈津子 様

週2回だから、ゼロベースの状態からの議論もできる。その場で思考を整理し、実際の企画書づくりを進める形式は価値が高い

Q(今村):週2回という頻度についてはどのように感じられましたか。

A(黒河様):私は、週2回のペースが非常に良かったと感じています。スピード感も含めて「ここまでの成果物を出したい」という目標があったので、週2回・各1時間というリズムでご支援いただけたおかげで、取り組んでいた案件を想定よりも早く完了させることができました。

その後、「次は何に取り組むか」を考えるタイミングで、ゴールがまだ明確に定まっていない“抽象的なテーマ”に向き合うことになり、正直壁にもぶつかりました。ただ、それも含めて非常に良い経験になったと思っています。

Q(勝林):私たちのような外部の立場に相談をいただく際、多くの場合は「抽象度の高いテーマを、ある程度具体化した段階」でご依頼をされることが一般的だと思います。しかし本来、抽象度の高いテーマをどう具体的に落とし込んでいくか、その初期の思考プロセスにこそ難しさがあります。今回の1on1では、まさにその難しいフェーズをご一緒させていただくことができた点に、非常に意味があったと感じています。

A(黒河様):正解やゴールがまだ見えていない、いわばゼロベースの状態から1on1でご支援いただいたことで、「まずはここを明らかにする必要がありますよね」「このあたりまでアウトプットを出したいですね」といった具合に、総合的に議論をしながら進められた点は非常に良かったと感じています。

また、勝林さんは別のメンバーの1on1も担当してくださっていたので、その時の情報や経験も含めてこうすべきでは、という提案をいただけました。個別の支援にとどまらず、組織に対して支援をいただけたという実感がありました。

株式会社Third Base ディレクター 勝林 優斗

Q(今村):我々が1on1で特に意識しているのは、議論を「その場で可視化・構造化」することです。空中戦にならないよう、ネクストアクションにつなげやすくすることを心がけています。

A(黒河様):「考えていた内容が、構造化・可視化するとこのように表現できるのか」といった気づきがあり、とても参考になりました。まとめ方も含めて非常に学びが多く、その場で実践していただけたことで、すぐに自分でも活用できるという感覚が得られたのは大きな収穫です。インプットとアウトプットの両面で、自分の中にしっかりと蓄積されている実感があります。

A(伊藤様):思考整理をしながら、実際の企画書づくりをその場で一緒に進めていただけた点は、とても有益でした。企画については座学で学ぶ機会はあっても、実践の現場を見られることはなかなかありません。その意味でも、すぐそばで伴走していただきながら進めていくこの形式は、非常に価値の高い経験だったと感じています。

Q(今村):植田さんから見て、メンバーの方々の変化や組織への効果はいかがでしたか。

A(植田様):今回の取り組みにあたっては、メンバーに対して最初に「これくらいのコストがかかっている」「無駄にせず、しっかりと活かしてほしい」というメッセージを伝えてスタートしました。受け身の姿勢では研修内容が定着せず、いずれ“溶けてしまう”ものになってしまうので、「あなたに期待している」ということを明確に伝えることを意識しました。その結果、メンバー自身にも適度なプレッシャーがかかり、主体的に取り組んでくれたのが良かったですね。特に若手メンバーについては、良いアイデアを持っていても、それを理路整然と資料に落とし込むことが難しいという課題がありました。今回、1on1で伴走いただいたことで、「こういうふうにまとめるのか」「こうやって思考を整理していけばよいのか」といった気づきを得ることができ、再現性や汎用性のあるスキルとして身につき始めたと感じています。

Q(今村):植田さんとは毎月欠かさず、受講者の現状や今後の対策について意見を交わしてきました。性格的な側面も含めて、双方から見えている景色をすり合わせながら、「来月はこんなアプローチでいきましょう」といった方向性を一緒に考えていきました。

私たちからの提案に対して、植田さんが毎回率直なフィードバックをくださったことで、私たちもやるべきことがクリアでした。それがこの取り組みの成功の一因だったと感じています。

A(植田様):しっかりと毎月報告を入れてくれて、そのあたりの信頼感はすごく高かったです。私だけでなく、マネージャー陣を巻き込んでくださった点も非常に良かったと感じています。

株式会社Third Base 代表取締役 今村 将人

Q(今村):最後に、今後の人材育成の展望についてお聞かせください。

A(植田様):今回、初めて本部全体で一丸となって、法人向けサービスの企画・推進に取り組む体制が整いました。この動きを通じて、より上流からプロジェクトに関わっていける人材の育成が重要であると考えています。

特に各ディレクターには、「自分たちがプロジェクトのオーナーである」という意識を強く持ち、より上流の構想段階から主体的に関与してもらうことを期待しています。
そして、開発メンバーやデザイナーも含め、関わる全員がサービスに対する愛着を深めながら、一体感をもって取り組める組織をつくっていきたいと考えています。

A(伊藤様):「言われたことをやる」から抜け出して、どれだけ自走して周囲と連携しながら進められるか。そこを突破していくメンバーを増やしていきたいと考えています。

A(黒河様):ディレクターとしてプロダクトを企画するだけでなく、ビジネス企画寄りの仕事など、企画することの幅がすごく広いです。体系的な研修だけだとスピード感がなかなかつかないので、こういった1on1をしていただきながら、よりスピーディーにインプットしてアウトプットしていければと思います。

Q(今村):本日はお時間をいただき、ありがとうございました。今後もますますお力になれるよう、私たちも努力してまいります。

インタビュー実績

Client:ブリヂストン

ブリヂストン × Third Baseによる 路面データを活用した新規事業アイデアの事業性分析・PoCの推進 ―事業開発を推進しながら、組織の自走力を強化する

Client:パーソルキャリア

パーソルキャリア×Third Baseによる 実務に直接伴走する1on1型研修 ―思考を構造化する習慣を身につけ、社内バイアスを取り払った「あるべき姿」を追求する