パーソルキャリア採用ソリューション事業部×Third Baseによるアイディエーションからローンチまでの1年間
―「新規事業創出」を通じて、組織変革のプロセスを共に歩む
パーソルキャリア 様
「全部、ここから始まった」―― 1年間の伴走が生んだ、事業と組織の変化
スピーカー紹介
パーソルキャリア株式会社
採用ソリューション事業部
エグゼクティブマネジャー
氏名:髙橋 遼太郎 様
パーソルキャリア株式会社
採用ソリューション事業部
企画営業部 マネジャー
氏名:山田 剛士 様
パーソルキャリア株式会社
採用ソリューション事業部
販促企画部
氏名:笠原 崇史 様
パーソルキャリア株式会社
採用ソリューション事業部
販促企画部 エキスパート
氏名:郷 健 様
株式会社Third Base
代表取締役
氏名:今村 将人(聞き手)
※ 部署名・役職は当時
プロジェクト発足の背景
成長を続ける中で見えていた「数年先の鈍化」と競合の構造転換。自分たちの在り方を見直すタイミングだった
Q(今村):まず、採用ソリューション事業部の事業内容について教えてください。
A(髙橋様):
パーソルキャリアは「doda」に代表される転職支援領域のサービスを複数の事業で展開している会社です。採用ソリューション事業部では主力の人材紹介ではご支援が難しいお客様や、大量採用・採用単価を抑えたいお客様に対して、dodaの求人広告とダイレクト・リクルーティングのサービスを提供しています。
Q(今村):右肩上がりの成長が続く中で、最初にご一緒したのは、新規事業ではなくAI・DX文脈での事業戦略の策定でした。着手されようと思ったきっかけを教えてください。
A(髙橋様):
一番大きかったのは、2025〜26年以降の成長が鈍化するのではないかという見立てが、その時点で既に自分の中にあったことです。足元ではお客様からの引き合いは強く、営業の増員も進めていましたが、コロナ後に高まったニーズはどこかで落ち着くだろうと。
もう一つは競合の変化です。他社が、事業構造をテック化し、新たなビジネスモデルへと切り替え始めたタイミングでした。当社の中期経営計画の更新も控えており、自分たちの在り方を見直すには良いタイミングだったと思います。
Q(今村):外的トレンドや市場・競合動向の整理から事業の方向性を見出す議論の中で、「既存事業の生産性を上げること」と「新しい事業を生み出すこと」という2つの方向性がシナリオから浮かび上がってきましたよね。
A(髙橋様):
あれは春先でしたね。当時、先進企業が「既存事業を半分の人員で運営し、残り半分の人員で新規事業を作る」という基本戦略を打ち出していた時期で、私たちのアウトプットもそれに近いものになりそうだと感じていました。その時に今村さんが言っていた「全ての企業はここに向かうはず」という言葉に強く共感したことを今でも覚えています。
Q(今村):2つの方向性を「描く」ところまでは多くの企業がやります。ただ「よし、実行に動かそう」となるには、大企業の場合はどうしても時間を要しがちです。一方、髙橋さんの場合は、新規事業をやるという意思決定から、実行に動くスピードがとてつもなく速かったですよね。
A(髙橋様):
すべてが思うように進んだわけではありませんが、結果的には1年前に想像できなかった状態に今あるので、形にはなったなと思っています。ただ、実際に人を動かすのは本当に大変で。今村さんとのミーティングは、今でも半分は人・組織の動かし方にフォーカスしています。どの順番で、誰をどう巻き込み、前に進めるか。動くべくして動いたと言えるのは、そこにきちんとパワーを割けていたからだと思います。

パーソルキャリア株式会社 採用ソリューション事業部 エグゼクティブマネジャー 髙橋 遼太郎 様
【エースを揃えた3チームによる新規事業開発】
「企画×営業」のペア3チームが、2か月で事業計画を描き切る。中堅の主力メンバーを巻き込んだ理由
Q(今村):新規事業領域の検討が始まり、部長職以上の皆さんと喧々諤々の議論を重ねたアイディエーションを経て、テーマを3つに絞り込みました。そこから急ピッチで3チームを組成するにあたり、エース級の中堅メンバー6名を招集されました。既存の重要ミッションを担う主力メンバーを巻き込んだ意図を教えてください。
A(髙橋様):
幹部メンバーだけで3つの事業計画を描くことも、できたはずなんです。でも、今後大きな山を動かしていくことを考えた時に、企画・営業・制作といった現場を後から巻き込むのと、核となるリーダー陣を事前に巻き込んでおくのと、どちらがスケールするか。そう考えて、この形を選びました。
もう一つは、この取り組み自体がすごく勉強になるじゃないですか。それを幹部だけのスキルに閉じてしまうと、組織としてのスケーラビリティや粘りが効かなくなる、という感覚もありました。
Q(今村):いきなり声がかかって、1〜2週間後にはキックオフ。しかもテーマも決められていた。招集された側として、山田さんと笠原さんは最初どう感じましたか?
A(山田様):
既存事業をずっとやってきた中で、これだけではダメだと分かっていた部分があったので、未来の種を自分でどう作るかというテーマをいただけたのは、驚きつつも「やってみたい」が率直な気持ちでした。笠原さんとは初対面でしたが、すぐに「一緒にやれるな」と思えましたね。
A(笠原様):
私は中途面接の際に、髙橋さんと「新しいことをやりましょう」と話していて、入社後もずっと言い続けてくれていたんです。その布石が実を結んだ、という感覚でした。コンサルティングファーム出身なので、その力を還元できる嬉しさもあって、「この人たちと何かいいものを残したい」という気持ちでスタートしました。

パーソルキャリア株式会社 採用ソリューション事業部 企画営業部 山田 剛士 様
Q(今村):悪く捉えると、いきなり「事業計画を作れ、テーマはこっちで決めてあるから」というやり方でもあります。既存のミッションも大変な中で、熱量が入らないリスクもあると正直思っていました。ところが3チームとも、最初から熱量が高く、日を追うごとにその勢いを増していった。モチベーションの源泉はどこにあったのですか?
A(山田様):
まず幹部メンバーが本気だったことが大きいです。「こんなもんじゃないだろう、もっと面白いことをやろうぜ」という気概がすごかった。その上で、今村さんの存在にもすごく助けられました。「新しいことをやりたい」という声は今までも社内にありました。でも、その道を具体的に描き切ることが、自分たちだけではなかなかできなかった。それを先導・支援してくれる人がいたからこそ、描き切れたのだと思います。
A(笠原様):
よくあるのは、コンサルの人が「こうですよ」と言って、こちらがついていかなきゃいけなくなるパターンです。でも今村さんは、あくまで私たちの考えを起点に、一歩、半歩先へと導いてくれる。だから非常にスムーズに進められたと思っています。
Q(今村):事業性分析を踏まえ、2030年までの売上・コスト計画まで引き切りました。この手の仕事は、これまでの業務で経験はありましたか?
A(山田様):
経験自体は全くなかったですね。「こういうサービスがあった方がいい」と手弁当で起案したことはあっても、事業性分析からきれいな事業計画に仕上げていくのは初めてでした。常に会社や事業の目線で仕事をしたいという気概はあっても、日々の数字づくりに忙殺される。そんな中で、高い視座を持ち、会社・事業部がこの先どうあるべきか、何をすべきかを本格的に考える時間は貴重でした。
A(笠原様):
メンバーからすると「修行」のような重さは少なからずありました。でも、それ以上にワクワクの方が大きかった。週次のメンタリングの時間は本当に楽しくて、あそこでは本音でぶつかり合えていた気がします。今村さんも本気で「この事業をどうしていくべきか」を言ってくれる。喧々諤々やりながら、いいものができていく感覚があって、終盤は終わってしまうのが悲しいくらいでした。

パーソルキャリア株式会社 採用ソリューション事業部 販促企画部 笠原 崇史 様
【事業構想報告会】
数字遊びではなく、「この事業・計画に責任を持てるか」に向き合った。発表の日、幹部メンバーと同等に火がついた現場の姿がそこにはあった
Q(今村):最終報告直前の2週間は、全チームが3時間超のぶっ通しで議論を続けるすさまじい勢いでした。当時の感想を聞かせてください。
A(山田様):
このプロジェクトは、研修的な側面もあったと思います。ただそれ以上に、描いたからには、聞いてくれる人たちに本気になってもらって、その後どう実行していけるか。そこをずっと考えていました。途中、テーマを方向転換した局面もありましたが、あれも意思を持って自分たちで決めたことでした。発表がゴールではなく、「どう実現するか」に集中していたことをよく覚えています。
外が真っ暗になるまで数字を詰めた日のことを思い出します。数字遊びではなく、どうやったらこれを達成できるのかをみんなで詰め切ったからこそ、自信を持って熱いプレゼンができた。あの場にいた全員が一体となって「事業としてやりたいよね」となった。本当にいい時間でした。
A(髙橋様):
最終発表の会議室にいた15人くらいのメンバーには、もう火がついていたと思います。この取り組みは最初、私と今村さんの2人で始まっていますから、私にとっては、あの時点で一次ゴールに到達していたのかもしれません。
Q(今村):あの日の熱気は今でも印象的です。そんな中、報告会の後に「これはやる・これはやらない」を冷静にジャッジし、ネクストアクションを決めていた髙橋さんをはじめとする幹部メンバーの皆さんの姿も強く心に残っています。
A(髙橋様):
そうですね。役割分担がそこからでき始めた感覚があります。私の次の役割は、事業としてのキックオフの場をどう作るか、誰に何を言わせるかという「組織を動かす」側に切り替わっていきました。
【PoCフェーズへ】
有償での案件受注を実現。「1件取れて良かった」ではなく、「どうやって拡張するか」を問い続ける
Q(今村):その後事業アイデアはPoCへと進み、有償で案件を受注しました。PoCでは、現実の厳しさに直面しながら戦い続ける日々だったと思います。振り返ってみていかがですか。
A(山田様):
濃かったですね。発表の時に感じていた不安が、現実のものとなった半年でした。今村さんや新たにジョインした郷さんから鋭い問いをもらいながら、「1件取れて良かった」ではなく、「どうやってこれを拡張させるか」と向き合い続けた。このサービスを担ぐ人を事業の中に増やしていかない限り、本当の意味での新規領域の拡張はないんだと実感する日々でした。
A(笠原様):
事業計画で描いた内容の実現は実際には難しいと痛感しながらも、お客様に一定の評価をいただけるサービスは出せた。それは成果だったと思います。ただ、ここで終えると「自分個人ができた」で終わってしまう。これを組織にどう定着させ、広げていくか。もう一段深く考えなければいけないと思いながら、事業の拡大と向き合っていました。
Q(今村):郷さんは途中からジョインされ、私がバトンを渡す形になりました。バトンを渡した途端に取り組みが頓挫するケースも少なくない中、郷さんはその後、時に先頭で牽引し、時に後方から支えながら、すべての事業アイデアを前に進めてこられました。僭越ながら、こうした役割を担える社内人材は本当に貴重だと感じています。その郷さんから見て、弊社のような「外部人材」の価値を本音ではどう感じていますか。
A(郷様):
社内の人だからこそ踏み込めることもありますし、社内の人にしかできない社内調整は間違いなくあります。そのため、以前の「3チーム+外部」という体制だけでは前進しない部分があったのは事実だと思います。ただ、私が入ったことで今村さんが不要になったかというと、そうではない。良くも悪くも、組織の中にいると組織の引力に引きずられていく。そんな中で、外の世界を見せてくれる。理想に立ち戻るきっかけをくれる。それが外部の方に入っていただく大きな価値だと思っています。
この距離感は本当にキワキワですよね。外側に寄りすぎると受け入れられないし、溶け込みすぎると「中の人」になってしまう。今村さんはその微妙な綱渡りを続けてくれたと思っています。

パーソルキャリア株式会社 採用ソリューション事業部 販促企画部 エキスパート 郷 健 様
今村:私自身、組織に溶け込みつつも、溶け込みすぎないことは強く意識しています。成果を出す約束を守れなければ、もうその先一生仕事は任せてもらえない、という緊張感は常に持っているつもりです。
A(笠原様):
印象的だったことがあって。あるフェーズで今村さんが、外部企業の方を紹介してくださったんです。「この内容なら、Third Baseよりもこの会社の方が強みがあるかもしれない」って。あれを言える人はなかなかいないですよ。普通は自分の会社の仕事を手放そうとしない。もともと信頼していましたが、本当に我々に寄り添ってくれているんだと改めて感じました。だからこそ、我々は「引き続き今村さんに手伝ってほしい」とお願いしました。

株式会社Third Base 代表取締役 今村 将人
【1年間の総括と今後の展望】
目先の「新規事業づくり」が目的ではない。組織変革を今後も共に
Q(今村):最後に、この1年の総括と今後への意気込みをお願いします。
A(髙橋様):
当初から、新規事業を作ることだけが目的だったわけではありません。Third Baseさんは「新規事業創出屋」なのかというと、私は少し違う気がしていて。組織変革の一つのプロセスを一緒に味わったんだと思っています。そちらの方が長く効いてくる。アサインの仕方も、巻き込み方も、一貫してそこを目的にやってきた1年でした。その意味では、まだ序章に過ぎません。私が諦めなければ続いていくと思うので、やり続けたいと思っています。
感謝でいうと――今の事業が形作られているのは、全部今村さんと出会ったことから始まっているのは事実なんです。郷さんとの採用面接の際も今村さんとの取り組みの話をしていましたし、山田さん・笠原さんの2人を巻き込んだのも、既存と新規という方向性を言い出したのも、きっかけは今村さんでした。これから多くの会社・事業組織が組織変革を迫られる中で、その伴走パートナーとしてThird Baseにはより大きくなってもらいたいですし、私たちもその過程で一緒に成長できたらと思っています。
A(郷様):
こうした、自分たちの現在地と成し遂げたことを振り返る場を作っていただけたこともありがたいです。私は変革の仕事がしたくてこの会社に入ったので、今日はそのキーワードが何度も出てきて嬉しく思いながら聞いていました。今村さんは、バトンを渡すべきタイミングでスッと渡してくれた。あの切り替えのバランス感覚には本当に感謝しています。
A(山田様):
一人ではここまでたどり着けなかったのは間違いありません。今後は新規領域の核となる事業を作っていきたいと本気で思っています。ありがたいことに、今はチームメンバーが6人いて、みんな本気で可能性を感じてくれている。来期からさらに増える予定もあります。
A(笠原様):
プレゼンで宣言した「あらゆる人事課題を解決できる組織にしたい」という言葉は、今も忘れていません。ようやくそのスタートラインに立てたところなので、ここからゴールに向けて前進していきます。
今村:このプロジェクトは、私にとって一生忘れられないものになっています。日々の取り組みを通じて、皆さんと素敵な信頼関係を築けたことが何より嬉しいです。今後もこの信頼関係を礎に、組織変革の取り組みに貢献していきたいので、引き続きよろしくお願いします。

インタビュー実績
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