CLIENT INTERVIEW

みずほリース株式会社×Third Baseによる新規事業構想を事業戦略へ落とし込んだ4か月―チームの一員として、社内を動かし、構想を事業へと前進させる

みずほリース 様

「お願いしたのは資料作成ではなく、事業を前に進めることだった」―― チームの一員として伴走した4か月

みずほリースでは、約4年にわたりサーキュラーエコノミー領域の事業を広げてきました。その取り組みを担ってきたチームは、中期経営計画のスタートに合わせてサーキュラーエコノミー事業部へと昇格し、新たなスタートを切っています。次の成長に向けて描いたのが、自ら案件を取りに行くこれまでのやり方に加え、顧客を引きつける仕組みをつくる新規事業構想です。
Third Baseは4か月間、週2〜3日の常駐でPMとして参画しました。2か月で50件の顧客インタビューを重ね、事業戦略の構築から本部役員審議の通過までを共に走りました。
将来を見据えた構想を、どう社内で前に進めたのか。チームの一員として関わる支援は、何を残したのか。プロジェクト責任者の吉野様と、推進メンバーの新坂上様の2名にお話を伺いました。

スピーカー紹介

吉野 淳一 様

みずほリース株式会社
サーキュラーエコノミー事業部
部長

氏名:吉野 淳一 様

新坂上 利奈 様

みずほリース株式会社
サーキュラーエコノミー事業部
主任

氏名:新坂上 利奈 様

今村 将人

株式会社Third Base
代表取締役

氏名:今村 将人

和田 隆之介(聞き手)

株式会社Third Base
ディレクター

氏名:和田 隆之介(聞き手)

※ 部署名・役職は当時

プロジェクト発足の背景

約4年の取り組みの先に描いた、顧客が集まる仕組みづくり。構想を前に進めるPMを担える人材は限られていた

Q(和田):まず、サーキュラーエコノミー事業部のこれまでの取り組みについて教えてください。

A(吉野様):Third Baseさんにお願いした当時は、イノベーション共創部が持つテーマの一つとして、私を含む6人で進めていました。サーキュラーエコノミーには約4年取り組んでいます。最初に考えたのは、資源の「輪をつなぐ」こと。そのためには輪の細いところを担う会社とまず組むべきだと考え、静脈大手のTREホールディングスさんと連携しました。その後、建物解体のメトレック社、IT機器の解体や利用を担うエムエル・ITADソリューション社を立ち上げ、中期経営計画のスタートに合わせて、チームが事業部へと昇格しました。

Q(和田):その中で、今回の新規事業構想を描かれた背景を教えてください。

A(吉野様):事業やサービスは増えてきましたが、どれも自ら営業して案件を取りに行く、いわば狩猟民族的なやり方です。みずほの顧客基盤があるとはいえ、それだけでずっと伸ばし続けるのは難しい。お客様を引きつけ、通ってもらえるルートをつくる必要があると考え、構想を描きました。

Q(和田):構想を形にするうえで、どこに難しさを感じていましたか。

A(吉野様):アイデアはあっても、どう進めるかに悩んでいました。人手はあっても、プロジェクトマネージャーを担える人材が社内では限られていたんです。

みずほリース株式会社 サーキュラーエコノミー事業部 部長 吉野 淳一 様

|Third Baseを選んだ理由

12月24日、偶然が重なった出会い。その日の夕方には打ち合わせへ。決め手は「やりきります」の一言

Q(和田):Third Baseとの出会いは、12月24日のクリスマスイブでしたね。

A(吉野様):今村さんが登壇したセミナーでした。前日にたまたま案内を見つけ、たまたま空きがあったので申し込んだんです。内容がまさに私の悩んでいたところにハマるもので、講演後に今村さんをつかまえて名刺交換をさせてもらいました。

今村:実はあの講演は、当初予定されていたコンテンツがキャンセルになり、急遽組まれたものでした。まさに、偶然に偶然が重なったような出会いでしたよね。

A(吉野様):その場で「熱が冷めないうちに話しましょう」となり、その日の夕方にはもう打ち合わせをしていましたね。サーキュラーエコノミーは簡単には理解してもらえない領域ですが、最初から課題感をくみ取ってもらえたことも大きかったです。

今村:夕方に会議室へ伺うと、私が聞こうと思っていた組織やプロジェクトの状況をまとめた資料が印刷して用意されていました。すごいスピード感の中、同じ熱量の中でディスカッションが進んでいきました。本当にご縁だと思っています。

Q(和田):数ある選択肢の中から、Third Baseを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

A(吉野様):今村さんは大手事業会社の出身で、私たち側の考え方やストーリーをよく理解してくれること、人柄など、良い点はたくさんありました。でも一番は、「やりきります」と言い切ったことです。「やり切りたいと思います」ではなく、言い切ってくれた。その一言で、賭ける価値があると思えました。

今村:吉野さんは最初の打ち合わせから、組織の情報も含めて、必要な情報を包み隠さず開示してくださいました。サーキュラーエコノミーを事業として形にするのは、非常に難易度の高いテーマです。ただ、みずほリースさんだからこそ挑戦できる構想であり、吉野さんのような方が牽引する組織であれば、必ず実現できるとワクワクしました。私自身、絶対に挑戦したいと思いましたし、「やりきります」は私たち自身を奮い立たせる言葉でもありました。Day1からチームの皆さんとの懇親会を設けていただくなど、チームとして機能するための形を常に考え、整えていただいたことにも、本当に感謝しています。

|プロジェクト始動 顧客の声を集めた2か月

2か月で50件、現地にも足を運ぶ。歯切れの悪い反応が続く中でも、ニーズの種を拾い続けた

Q(和田):とにかく現場のリアルな声を集めようという方針のもと、Webだけでなく現地にも足を運び、結果として2か月で50件という数を重ねました。主に担っていた新坂上さんは、どう感じましたか。

A(新坂上様):新規事業に関わって2年半ほどになり、インタビューも経験してきました。ただ、これまでの案件は特定のサービスを想定したうえで話を聞くもので、確認すべきポイントも比較的明確でした。今回は、サーキュラーエコノミーが将来どうあるべきかという大きなテーマが起点で、これまでとはアプローチがまったく異なりました。誰に話を聞くべきか、対象とする業種や役職も含めて、手探りのスタートでした。仮説も対象者も見直し続けて大変でしたが、試行錯誤しながら思考を深めていくことこそ新規事業ならではの醍醐味で、それを楽しめた期間でした。

和田:最後は新坂上さんと私、二人とも声がかすれるほどでしたね(笑)。

今村:研修でもよく「インタビュー50件」とお伝えしますが、言うは易く行うは難しです。2か月でやり切ったこの取り組みは、今では社外でもよく紹介させていただいています。

Q(和田):私たちが描いたサーキュラーエコノミーの「ありたい姿」をお伝えすると、「将来的には必要だよね」と言っていただける一方で、「でも、今すぐ自社で困っているかというと……」と、今の課題としては実感しきれていない答えが多かったですよね。そうした状況をどう受け止めていましたか。

A(新坂上様):一人だったら「どうしよう」で止まっていたと思います。和田さんには迷ったときにすぐ相談でき、「ここを深めるために調べてみました」「こういう見方もあるのでは」と、細かな論点についても、納得できるところまで一緒に考え抜いていただきました。だから一人で抱えるより、ずっとスピード感を持って進められた。結局は顧客の声を聞かないと分からない。だからこそ、どんどんインタビューを入れていこうと前に進めました。

A(吉野様):件数にはこだわりがありました。AIが活躍する時代、顧客の声以外で価値を出すのは難しい。ただ、数をこなすだけでは意味がありません。声を受けて仮説を立て直し、聞く相手や問いを磨き続けることで、一件一件を意味のあるインタビューにしてもらえました。だからこそ、総論賛成・各論保留という反応が多い中でも、ニーズの種を拾えたと思っています。

みずほリース株式会社 サーキュラーエコノミー事業部 主任 新坂上 利奈 様

|事業戦略の構築と本部役員審議

求めたのは報告書ではなく、社内を動かし事業を前に進めること。「本当にこれで進められるか」まで向き合う

Q(和田):インタビューを通じて「まずは足元の課題から入る」という方向性を見出し、事業戦略を構築して本部役員審議に臨みました。振り返ってみて、いかがでしたか。

A(新坂上様):お客様の声は私自身が直接伺っており、足元の課題に対するニーズの強さも感じていましたが、役員の方々からは、それぞれの立場から私たちとは異なる視点のご意見をいただきました。顧客の声をきれいにまとめるだけでは足りない。相手の立場を踏まえてどう整理し、納得感のある形で伝えるか。そのために考え抜くことの大切さを学びました。立場ごとの視点を知ることで、「この方がこう考えるなら、こういう観点も入れたほうがいい」というように、検討すべき論点や考慮すべき観点を、より多角的に捉えられるようになったと感じています。

和田:報告の直前まで細かなやり取りを重ね、最後まで一緒に資料を磨き込みましたね。

A(吉野様):サーキュラーエコノミーは、新規事業単体で勝負するより、さまざまなビジネスと連関させて作り上げていくものです。構想が実現したらどんな効果があり、どんな「三方よし」を作れるのかまで、整理しきる必要がありました。加えて、役員の方々とは立場も持っている情報も違います。普段、プロジェクトで使っている共通言語を一度ブレイクダウンし、同じ土俵で判断してもらう準備が欠かせませんでした。

多くのコンサルティングでは、報告書を仕上げることに意識が向きがちだと思います。でも今回は、本当にこれで事業を前に進められるのか、というところまで一緒に向き合ってもらえました。私がお願いしたのは最終報告資料ではなく、「Go」を取ること、つまり事業として前に進めることでした。そのためには、ロジックを整えるだけでなく、社内の事情も踏まえて一緒に膝を詰めて進めていく必要があったんです。

今村:仰っていただいた通り、アウトプットはパワーポイントでも、やっていたのは会社を動かすことでした。会社の潮目や聞き手の反応を想像しながら、戦略ストーリーだけでなく、審議の日取りや会議室の設定にまでこだわって考え抜く。我々が知りたい情報をどんどん出していただきながら、本当にこれでGoを取れるのかに向き合った、本質的な事業づくりの時間でした。

|チームの一員として関わった4か月

「本質的に何が問われているのか」に立ち返る。メンバー以外の社員も相談に訪れる、チームの一員に

Q(和田):今回は週2〜3日、社内のメンバーと同じ場所で働かせていただきました。新坂上さんとは、日々の議論から資料づくりまで、ほぼすべての検討をご一緒しましたね。振り返っていかがでしたか。

A(新坂上様):日常的にやり取りする中で、細かいことでも「本質的に何が問われているのか」「何が目的なのか」と立ち返る思考プロセスを学ばせていただきました。新卒からリース会社にいるので、業界ならではの前提や常識にとらわれている部分もあったと思います。さまざまな業界を知る立場から、自分たちの視点や考え方を客観的に見直すきっかけをいただけたのも大きかったです。

そして、顧客の声を起点に仮説を立て、事業戦略として形にしていく一連のプロセスを経験できました。意見を意見で終わらせず、仮説に落とし込み、事業戦略につなげていく考え方は、今後も活きていくと思っています。

A(吉野様):メンバーの成長に加えて、もう一つの効果は、プロジェクトメンバー以外の社員にも良い影響が広がったことです。自分の案件を抱えた社員が和田さんのところへ相談に行き、整理の仕方についてアドバイスをもらう。その後の会議で出てきた資料は「今年のなかで一番良い」という出来で、本人も「和田さんに聞いてきました」と話していました。社内に一緒にいてくれるからこそ生まれた効果だと思います。

Q(和田):プロジェクトを終えてみて、改めて感じたことはありますか。

A(吉野様):やっている最中は必死なので、和田さんのありがたみを強く感じたのは、むしろ終わってからでした。プロジェクトの終了後も、社内での報告に向けた準備は続き、新坂上さんが中心になって進めてくれました。ただ、「和田さん、これお願いします」と言いたい場面で、もう和田さんはいない。その喪失感の大きさで、伴走してもらっていたことのありがたみを改めて実感しました。

株式会社Third Base ディレクター 和田 隆之介

|総括と今後

第三者からも「業界が変わる」と言われる構想に。角度を変えながら、共に次の一歩へ

Q(和田):構想そのものへの手応えはいかがですか。

A(吉野様):関係の近いみずほグループやパートナーにこの構想を話すと、「それをやったら業界が変わりますよ」という反応をいただいています。自分たちだけで考えていると、いいものであってほしいと思い込みがちです。第三者から見ても価値があると言ってもらえる構想を、4か月で作り上げられたことが何より嬉しいですし、伴走していただいたことに感謝しています。

A(新坂上様):ご支援いただく前から温めてきた構想です。担当者として思いを込めても、閉じてしまうテーマは少なくありません。だからこそ、4か月間検討を重ね、この構想を一つの形にできたことを本当に嬉しく思っています。今後も実際の事業として実現できるよう、取り組みを続けていきたいと思います。

Q(和田):これからも引き続きご一緒させていただく機会をいただきました。今後、Third Baseに期待していることを教えてください。

A(吉野様):またご一緒できるので、喪失感が埋まりそうです(笑)。プロジェクトは計画どおりには進みません。途中で起きることに合わせて微修正し、前に進めないときは横や斜めに動きながら、なんとか進めていく。言葉にすると簡単ですが、実際はかなり難しいことです。この先もいろいろなことが起こるはずです。その中で、やり方を変え、角度を変えながら、一緒に前に進んでいただければと思います。

和田:プロジェクトの外にも効果があったというお話は、本当に嬉しく思います。今後もこのプロジェクトにとどまらず、社内の皆さんのご相談にも応えながら、組織そのものが良くなることにも関わらせていただきたいと考えています。引き続き、皆さんや他のメンバーの方々とも顔を合わせる機会を増やしながら進めていきます。

株式会社Third Base 代表取締役 今村 将人

今村:さまざまな業界・会社とご一緒してきた経験を活かし、社内とは違う視点を提供し続けていけたらと思っています。吉野さんとの出会いは偶然が重なって生まれたものでしたが、心躍る出会いには、得てしてこうした不思議なご縁があるものだと感じています。私たちが大切にしているのは、「お客さんとの間に線を引かない」というスタンスです。このご縁を大切に、これからも皆さんの真のパートナーとして、一緒に楽しみながら新しい事業を創っていけたら嬉しいです。

インタビュー実績

みずほリース 様

みずほリース株式会社×Third Baseによる新規事業構想を事業戦略へ落とし込んだ4か月―チームの一員として、社内を動かし、構想を事業へと前進させる

パーソルキャリア 様

パーソルキャリア採用ソリューション事業部×Third Baseによるアイディエーションからローンチまでの1年間 ―「新規事業創出」を通じて、組織変革のプロセスを共に歩む

ブリヂストン 様

ブリヂストン × Third Baseによる 路面データを活用した新規事業アイデアの事業性分析・PoCの推進 ―事業開発を推進しながら、組織の自走力を強化する