本記事では、Step2「事業企画(アイデアを事業モデルと計画に落とし、PoCに進めるかを判断する段階)」の3つ目の工程である「事業モデル・計画の構築」を解説します。市場分析(2-A)と自社分析(2-B)の結果を使って、「誰に、何を、どう売り、いくらになるか」を組み立てる工程です。
はじめに. 「誰に・何を・どう売り・いくらになるか」を、矛盾なく一本の線でつなぐ
事業企画書は、たくさんのフレームワーク(STP、4P、ビジネスモデルキャンバス、P/L)を埋めれば完成するわけではありません。大事なのは、それぞれの要素が一本の線でつながっていることです。ターゲットに選んだ顧客と、価格や販促の設計がずれていれば、計画は成り立ちません。そこでThird Baseでは、事業モデル・計画の構築を次の2つに分けて進めることを勧めています。
自社分析の目的は3つあります。1つ目は意思決定の指針を持つこと。意義が明確であれば、プロジェクトを進めるか止めるかの判断基準になります。2つ目はステークホルダーへの説明材料を持つこと。なぜ自社が取り組むかを伝えられれば、社内外の理解を得やすくなります。3つ目は競争優位性の源泉を見つけること。自社特有の強みが活きるポイントを掘り起こせば、競争力のある事業を展開できます。そこでThird Baseでは、自社分析を次の2つに分けて進めることを勧めています。
- 事業モデルの策定:検討事業の指針(ミッション・ビジョン)を定め、STPで狙いどころを決め、提供価値・サービスを構築し、ビジネスモデルと4P戦略を練り、オペレーションを設計する
- 事業計画の策定:事業の展開方針(ロードマップ)を定め、中長期のP/L(損益)を概算する
ここで大事なのは、STPで決めたコンセプトと、4P戦略・オペレーション・P/Lが整合していることです。前の工程で決めたことを次の工程の入力にする、という順番を守ると、後から「この価格でこのターゲットに売れるのか」といった矛盾に気づきやすくなります。
本記事は次の2つの工程に分けて解説します。
- C-1|事業モデルの策定:ミッション・ビジョン → STP→ 提供価値・提供サービス → ビジネスモデル・マネタイズ → 4P戦略→ オペレーション
- C-2|事業計画の策定:ロードマップ → P/L → P/L算出ロジック → 収益シミュレーション → パターン分析 →(参考)損益分岐点
C-1│事業モデルの策定
事業のミッション・ビジョンを言葉にする
検討事業の目的や叶えるべき目標を、ミッション・ビジョンとして言葉にします。ミッション・ビジョンは、事業の方針について良質かつ迅速な意思決定をするために、立ち返る先となる指針です。ミッション・ビジョンがないと、意思決定の質は低く、速さも遅くなります。

ミッション・ビジョンは、企業レベルだけでなく、事業単位でも策定します。
1-Aで確認した新規事業の目的(狙う価値・水準・期限)と、2-Bで確認した自社の目指す姿を、この事業の言葉に翻訳したものがミッション・ビジョンです。
狙いどころを決める(STP)
STPとは:市場の中から攻める顧客群を決める
STPとは、市場の中から攻めるべき顧客群を特定し、他社との差別化要素や競争優位性を獲得する方針を定めることです。3つのステップで構成されます。

①セグメンテーション:顧客を同じ性質やニーズを持つグループに分ける。②ターゲティング:判断基準に基づき、攻めるセグメントを選ぶ。③ポジショニング:ターゲット市場での立ち位置を決める。
セグメンテーションは、市場分析(2-A)の顧客分析で検討済みです。切り口はWhere(地理的変数)・Who(人口動態変数)・Why(心理的変数)・How(行動変数)の4種類で、たとえばPCなら「使う場所(室内/兼用/外出先)」×「用途(仕事/兼用/個人)」のように分けます。ここではその結果を引き継ぎ、ターゲティングとポジショニングを行います。
ターゲティング:6Rで「自社が届き得る、それなりに魅力的な市場」を選ぶ
ターゲットとしてふさわしいのは、「自社が届き得る、それなりに魅力的な市場」です。それを探る指標が6Rで、特に上位4つのRが重要です。

6Rの指標から各セグメントを評価し、ターゲットを特定します。
よくあるつまずき:
市場規模(Realistic Scale)と成長性だけで最も大きなセグメントを選んでしまうことです。大きなセグメントには強い競合がいて(Rival)、自社のチャネルでは届かない(Reach)ことが多くあります。「魅力的」と「届き得る」の両方を見ましょう。
ポジショニング:顧客が重視する2つの価値で、勝てる立ち位置を決める
ポジショニングとは、ターゲット市場における「自社が勝てる立ち位置の特定」です。ターゲット顧客が重要視する価値に対する競合他社の製品・戦略を踏まえ、自社が勝てる立ち位置を見つけます。

3つのステップで進めます。①評価軸の決定:ターゲット市場の顧客が重要視する価値から2つを選ぶ(例:PCなら重量とバッテリーの持ち時間)。②競合のプロット:ターゲット市場の競合調査を踏まえ、競合製品を2軸上に配置する。③ポジショニングの決定:競合がいない、または競合に勝てる位置に自社製品を置く。
押さえるポイントは4つです。1つ目は、ターゲットが求める価値を明確にし、安易に「性能×価格」の軸にしないこと。2つ目は、市場分析の競合分析が不十分な場合、ターゲット市場に焦点を当てた追加の競合調査を行うこと。3つ目は、自社分析(2-2)の結果と矛盾がないこと。4つ目は、ブルーオーシャンに飛びつかないこと。空いている位置には、何らかの障壁があります。
提供価値・サービスを構築する
提供価値:顧客が求め、競合が提供できず、自社が提供できる価値
顧客分析・競合分析・自社分析の内容から、「対象事業によって実現できる、顧客にとってのうれしさ」=提供価値を言葉にします。

提供価値は、「顧客が求め、競合他社が提供できず、自社が提供できる独自の価値」です。3つの円の重なりで考えます。顧客が求める価値(顧客分析)、競合他社が提供できる価値(競合分析)、自社が提供できる価値(自社分析)を重ね、顧客が求めていて競合が提供できていない部分(新規性)のうち、自社が提供できる、または提供すべき部分(優位性)を提供価値とします。
提供価値を掘り下げる起点は、ポジショニングの評価軸に設定した価値です。2-Aで把握したKBF(顧客が何を基準に選ぶか)に対して、自社がどう応えるかを言葉にしたものが提供価値、と捉えると2つの言葉の関係が整理できます。
提供サービスの可視化:読み手が一目でわかる絵にする
読み手が一目で理解できるように、サービスの内容やサービスの流れをビジュアル化します。医療・行政MaaSサービスの例では、医療機関(オンライン診療)、調剤薬局(オンライン服薬指導)、オンラインシステム(予約枠)、集会所、マルチタスク車両(車両内イメージ)を1枚の絵にして、サービスがどう流れるかを示しています。

提供サービスは、文章ではなく、登場する主体とサービスの流れを1枚の絵にします。
ビジネスモデルとマネタイズを設計する
ビジネスモデル:モノ・カネ・情報の流れで裏側の仕組みを描く
サービスを実現するための裏側の仕組みを、モノの流れ・カネの流れ・情報の流れに分けて可視化します。図は3段で構成します。上段は利用者、中段は事業、下段は事業者です。

図を描くときは、7つの問いに答えます。①誰に?その事業は誰のために行われるのか。②何を?何が事業として行われるのか。③誰が?誰がその事業を行っているのか。④何が重要?その事業を特徴づける重要な関係者・モノは何か。⑤誰が関係?提携している企業や重要な関係会社はあるか。⑥誰が関係?利用者の他に関係している重要な人物・会社はいるか。⑦どんな流れがある?モノ・カネ・情報の流れはどうなっているか。
1-CのBIC第2面で描いた「Bizモデル(カネ・モノの流れ)」を、情報の流れまで含めて詳細化したものが、この図です。
マネタイズの手法:どこから、何に対して、どう課金するか
マネタイズとは、提供価値をどのように収益に変えるかの設計です。代表的な手法には、売り切り(モノ・サービスの販売)、月額定額(サブスクリプション)、従量課金(利用量に応じて課金)、成果報酬(成果が出たときに課金)、手数料(取引を仲介して手数料を取る)、広告(利用者からは取らず広告主から取る)、フリーミアム(基本無料で上位機能に課金)などがあります。
マネタイズは、「誰から(課金先)」「何に対して(課金対象)」「いつ・どんな形で(課金手法)」の3つを決め、ビジネスモデル図のカネの流れと一致させます。(詳細は後段の4P戦略のプライスで説明。)
4P戦略を練り上げる
4Pとは:STPと整合した具体的な施策を決める
4P戦略によって、顧客に対して効果的にサービスを訴求するための具体的な施策を策定します。アメリカのマーケティング学者E.J.マッカーシーが提唱したフレームワークで、企業が市場で競争優位を築くための具体的な施策を検討する際に使われます。

4P戦略の要点は、STPで策定したコンセプトと、4つのPそれぞれの整合が取れていることです。/
プロダクト:機能・品質・デザイン・サポートで差別化の場所を決める
製品やサービスを、機能・品質・デザイン・サポート付帯機能に分けて検討し、どこで差別化要素・競争優位性を獲得できるかを明確にします。

4つの論点のうち、どこで差別化するかを決めます。すべてで差別化しようとせず、提供価値とポジショニングの評価軸に対応する論点に集中します。
プライス:課金先・課金対象・課金手法・課金金額を決める
課金先・課金対象・課金手法・課金金額に分けて検討し、顧客に選ばれながら、継続的な事業運営ができる価格戦略を策定します。

プライシングの論点は4つです。
①課金先:誰から徴収するか。
②課金対象:何に対して課金するか(例:システム利用料、マッチング)。
③課金手法:いつ・どんな形態で課金するか(例:売り切り、月額定額、成果発生時)。
④課金金額:いくら徴収するか。課金金額は、コスト観点(運営コスト+利益)、顧客観点(顧客が感じる価値ベースの金額)、競合観点(競合と戦える金額)の3つから最適価格を決めます。
価格帯には下限と上限があります。下限は自社視点で、コストを踏まえて黒字化できる価格。上限は顧客視点で、価値に対して顧客が許容できる価格です。この幅の中で、市場特性や事業戦略を踏まえて価格戦略を選びます。
よくあるつまずき:
コスト観点だけで価格を決めることです。「原価に利益を乗せた価格」は下限にすぎません。顧客が感じる価値と競合の価格を見て、上限との間のどこに置くかを戦略として決めましょう。
プレイス:チャネルの長さ・幅・エリアを決める
製品・サービスが顧客に届くまでのチャネルの長さ・幅・エリアに分けて検討し、最適な流通戦略を策定します。

プレイスの論点は3つです。①チャネルの長さ:0段階(生産者→消費者)、1段階(小売業者を介す)、2段階(卸売業者と小売業者を介す)、3段階(2次卸まで介す)、その他(フランチャイズ方式、ライセンス方式など)。②チャネルの幅:開放的流通(広範囲の販売先で流通)、選択的流通(選定した販売先で優先的に流通)、排他的流通(特定の販売先でのみ流通)。③チャネルのエリア:集中型(特定エリアに特化)、広域型(グローバル展開)。
流通戦略には2つの側面があります。製品が生産者から顧客に届くまでの最適な経路(流通・販売チャネル)と、物流ルートや業者、倉庫の位置や在庫戦略(物流・配送ネットワーク)です。後者はオペレーションで詳しく扱います。
プロモーション:メッセージ・タイミング・メディア・コンテンツを決める
顧客に対して適切に価値を訴求し購入してもらうために、メッセージ・タイミング・メディア・コンテンツに分けて検討し、最適な販促戦略を策定します。

プロモーションの論点は4つです。
①メッセージ(何を):ターゲット顧客に対する各タッチポイントで、プロダクトについて一貫したイメージを伝えられるか。
②タイミング(いつ):タッチポイントは、ターゲット顧客の消費者行動のどの段階か。
③メディア(どこで):選ぶメディアの特徴は、そのタッチポイントで伝えたいメッセージやタイミングと一致しているか。
④コンテンツ(どうやって伝えるか):ターゲット顧客にとって魅力的で分かりやすいか。

タイミングを考えるには、消費者の行動意思決定モデルが役立ちます。AIDMA(注目・興味・欲求・記憶・行動)は代表的なモデル、AISAS(注目・興味・検索・行動・情報共有)はインターネット上で購買が完結するモデル、DECAX(発見・関係・確認・購買・体験と共有)はプル型コミュニケーションのモデル、AMTUL(認知・記憶・試用・本格的な使用・固定客)は固定客化まで見据えたモデルです。
メディアはPESOモデルで整理します。ペイドメディア(テレビ・新聞などの広告。即効性があり幅広く届く)、アーンドメディア(インフルエンサー・ブロガー。特定層に届き信頼度を強化)、シェアードメディア(SNS・口コミ。リアルな評価を集められる)、オウンドメディア(公式サイト・メルマガ。自由度が高く長期的な基盤)です。これらのモデルは一例で、分解した消費者行動のそれぞれのタイミングで、最適なメディアを使うことが重要です。
B2Bサービスでも、顧客の検討段階に合わせて施策を組みます。潜在層(認知〜初期接触)にはオウンドメディア(SEO)・SNS広告・展示会・広報・書籍出版など、準顕在層(興味・関心)には自社セミナー・メルマガ・ホワイトペーパー・リスティング広告など、顕在層(比較検討)にはサービス資料・事例記事・無料相談などのインバウンド施策を置き、あわせてフォーム営業・テレアポ・紹介などのアウトバウンド施策を組み合わせます。

オペレーションを設計する
オペレーションの全体像:必要な部門・機能を洗い出す
サービスを成立させるために必要な部門・機能を洗い出し、整理します。

製造業の例では、フロントオフィス業務として①販売(営業・受注、請求・入金)、②アフターサービス(メンテナンス、コールセンター)、バックオフィス業務として③調達(契約・発注、検収・支払)、④生産(生産管理、製造)、⑤物流(荷役、包装、保管、配送)、⑥財務、⑦法務、⑧経理、⑨総務、⑩人事があります。生産管理・製造・配送などは、業界や事業によってフロントかバックかの分類が変わります。
サプライヤーから顧客までの流れに沿って、必要な機能を洗い出し、それぞれを自社のどの部門が担うか、または外部に任せるかを決めます。
セールス:リード獲得から顧客維持までの流れと目標値を決める
リード顧客の獲得から既存顧客の維持までの一連のセールスオペレーションと、定量的な目標値を策定します。

顧客獲得のロジックは、4つの段階の掛け算で組みます。
①マーケティング(リードの獲得):マーケティング施策数×施策あたりリード獲得数=リード数。
②インサイドセールス(リードの育成):リード数×商談化率=商談数。
③フィールドセールス(新規顧客の獲得):商談数×成約率=新規顧客数。
④カスタマーサクセス(顧客のリテンション):顧客数×継続率=継続顧客数。
主な検討ポイントは6つです。どんなマーケティングを行うか(4P戦略のプロモーションと連動)、新規顧客獲得までのタッチポイントや頻度をどうするか、営業部を活用するか自部門で実施するか、営業人員は何人必要か、営業人員にどんな能力が必要か、カスタマーサポートやコールセンターなどどんな機能が必要か、です。

サプライチェーン:内製か外注かを要件から決める
パートナーシップの可能性も視野に、最適なサプライチェーンを検討します。サプライヤー→生産拠点→在庫拠点→配送→顧客の流れで、それぞれの機能を見ます。

必要な要件(リードタイムに関わる立地、コスト、納品ユニット数など)を踏まえ、それぞれの機能を内製するか外注するか、外注する場合はどこに任せるかを決めます。
C-2│事業計画の策定
ロードマップ:段階的な成長の絵を描く
事業は段階的に成長していくため、中長期的な拡大戦略・目標を策定します。ロードマップは、フェーズごとに次の要素を並べて描きます。

フェーズ(Phase1〜3など)ごとに、①目指す姿、②提供機能・サービス、③ターゲット顧客(例:売上規模×業種のマトリクスで注力・対象を示す)、④重点施策、⑤売上/年と⑥コスト/年を置きます。フェーズが進むごとに、提供機能とターゲットをどう広げるかが見えるようにします。
1-Aで確認した期限(例:次期中計策定まで)と水準(例:売上100億円)が、ロードマップの最終フェーズの目標になります。
P/L:売上とコストの構造を分解し、営業利益まで概算する
売上・コスト構造を分解し、中長期的に見込むことができる収益性を試算します。P/Lは、売上から売上原価を引いて売上総利益、販売管理費等を引いて営業利益、営業外損益を加えて経常利益、特別損益を加えて税引前当期利益、法人税等を引いて当期純利益、という構造です。

この段階では、基本的に営業利益まで算出します。売上は「客数×単価」または「市場規模×シェア」で、費用は人件費、広告宣伝費、通信費、家賃、水道光熱費、減価償却費、原材料費などの費目に分けて置きます。重視するのは細かい数値の妥当性ではなく、算出ロジックの妥当性と費目の洗い出しです。
P/L算出ロジック:売上は客数×単価、費用は固定費+変動費
基本的に、売上は客数×単価、費用は固定費+変動費に分解します。各要素には、試算の根拠や参考情報を添えます。

各要素の数値には、必ず「どこから持ってきたか」(4P、オペレーション、業界スタンダード、ヒアリング、給与規定など)を添えます。前の工程で決めたことが、そのままP/Lの入力になっている状態を保ちます。
収益シミュレーション:年単位で組み、セルの色で入力と計算を分ける
算出ロジックをExcelに落として、収益シミュレーションを作ります。

現段階では年単位のシミュレーションで構いません。入力形式によってセルの色を使い分けます。黒は手入力(修正対象セル)、青は関数(修正非対象セル)、緑は他シート参照(例:減価償却費は別シートで算出)などです。
よくあるつまずき:
手入力の数値と計算式が混ざって、どこを変えれば結果が変わるのか分からなくなることです。色分けのルールを最初に決めておくと、次のパターン分析でパラメーターを動かしやすくなります。
パターン分析:不確かな変数を動かして、複数パターンを見る
販売量や単価など、不確かさの高い変数をパラメーターにして、複数のパターンをシミュレーションします。
楽観・ベース・悲観の3パターンを作ります。たとえば10年目の単価を1万円/品で固定し、販売量を楽観60万品・ベース30万品・悲観15万品と置いて、それぞれのP/Lを比べます。

どの変数をパラメーターにするかは、2-Aの市場規模算出で「推定」と色分けした要素や、幅が大きく出た要素から選ぶと、根拠のあるパターンになります。
(参考)損益分岐点:単年で赤字にならない売上・販売量を知る
収益目標や撤退基準を策定するうえで参考になる損益分岐点を算出します。損益分岐点売上とは単年で赤字にならないための売上、損益分岐点販売量とは単年で赤字にならないための販売量です。売上線と総費用線(固定費+変動費)が交わる点が損益分岐点で、想定販売量がそれを超えていれば利益が出ます。

損益分岐点を算出し、想定販売量との差を見ます。この差が小さいほど、販売量が少しぶれただけで赤字になるため、撤退基準を決める材料になります。
まとめ
事業モデル・計画の構築では、STPで決めた狙いどころから、提供価値・4P・オペレーション・P/Lまでを一本の線でつなぐことが大事です。フレームワークを埋めることが目的ではなく、要素同士に矛盾がないことが、投資判断に耐える計画の条件です。いま事業企画書を作っている方は、次の点を見直してみてください。
- 事業単位のミッション・ビジョンを言葉にしているか
- ターゲットを6Rで選び、ポジショニングを顧客が重視する2つの価値で決めているか
- 提供価値を「顧客が求め、競合が提供できず、自社が提供できる」の重なりで書けているか
- 4Pの4つが、STPのコンセプトと整合しているか
- P/Lの各数値に、4P・オペレーション・市場分析のどこから持ってきたかの根拠を添えているか
- 楽観・ベース・悲観の3パターンで収益を示し、損益分岐点を把握しているか
Third Baseではこれまで「新規事業をどう進めればいいか分からない」「スピード感を持って進めたい」といったご相談をいただき、メンタリングや伴走など様々な形で支援してきました。新規事業開発でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
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